【ポケモン】トッププレイヤーが選ぶ!振り返るべきWCS神試合15選【ダブル】【VGC】
ポケットモンスターソードシールドが発売されてからプレイヤー人口も増え、大盛り上がりのVGC2020。
ですが毎年開催の『ポケモンワールドチャンピオンシップス』がアレな事情で開催されない悲しいルールでもあります。
WCSの3日間を観戦するのが毎年夏の楽しみなんだよなぁ...という人もたくさんいることでしょう。
何を隠そう僕もWCS観戦の大ファンその一人です!(1VGCプレイヤーとして大会参加もしていますが)
しかも剣盾新規プレイヤーはあの興奮をLIVEで味わえないままにこのルールを終えてしまう。
この状況は見過ごせない。そんな一心から筆を執るに至りました。
というわけで今回の記事は、『トッププレイヤーが選ぶ!振り返るべきWCS神試合15選』です!
WCS2015~2019の5年から各3試合、合計15試合の紹介となってます。
どんな奴がこの文章を書いてるの?
・プレイヤー:アルカナ / KIWAMU ENDO
・最高実績:WCS2018 9位(しかもスイスドロー全勝1位抜け!)
・最近の実績:INC2月14位26勝2敗レート1841で最速全国権利獲得(開催されないけど)、日独交流戦選抜→2-0勝利
・その他実績:全国大会出場3回(14,18,19)
・オフ会予選抜け率:体感95%くらい
・1日のルーティン:風呂に入りながら過去ルールの動画を漁る
・よく言われる言葉:「ポケモンに関する記憶力が良すぎて怖い」
ただ楽しく見るも良し!有名強者のプレイングを奪うも良し!
完全に独断と偏見(※超大事)で、僕が感じたプレイ上手すぎ・構築強すぎ・読み合い深すぎの3つを重視して選んでます。
圧倒する試合から拮抗する熱い試合まで盛りだくさんです。
より楽しめるように当時の環境・その試合のポイントも各ルール添えてますので、併せて見てください。
剣盾から始めて過去ルールわからないよという人も、今のルールにしか興味がないよという人も、ダブルバトルしたことないよという人も、みんな楽しめます。
それではいってみましょー!
もくじ
WCS2015
--------------------------------------■当時の環境
TOP8のうち6人がメガシンカ枠にメガガルーラを選択していたことで有名なルールですが、みんながみんな使っていたというわけでは全くありませんでした。
サーナイトを筆頭にボーマンダやリザードン、ゲンガーなどメガシンカ枠は多種多様で、「ゴツゴツメット」モロバレルや「おにび」など、ガルーラへの対策は明確に確立していました。
そんな環境の中でも、対策を上回るほどのパワーと安定感がガルーラ構築にあることを見出し、昇華させたプレイヤーが結果を残しました。
日本人は海外に比べてガルーラ構築への理解度が特に高かったと思います。
余談ですが、この年の結果から海外プレイヤーの日本人に対する評価も変わった印象です。
■上位プレイヤーの構築傾向
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第3位 WCS2015 Day2 Round4 Tony vs ビエラ
僕が尊敬する最強プレイヤーTony(2014全国優勝、2015世界3位、Day2全勝)と15世界王者ビエラの試合。
Tony(手前)
ビエラ(奥)
ガルーラミラーはどうしてもサイクル戦になりがちですが、そのミラーマッチに解答を用意していたTony選手が構築上一枚上手だったと言えます。
ビエラ選手もそれを理解して強気な読みと「でんじは」「いばる」による確率の押し付けを幾度となく選択しています。
特に差を付けているのがニンフィアの存在。
フェアリータイプを半減できるヒードランがニンフィアを即処理する手段がないため、「いかく」と「ねこだまし」で行動回数を稼がれるだけでチームのHPがどんどん削られていきます。
ヒードランを最速で採用している点も、ミラーにおいて有利を付ける要因となっています。
ガルーラニンフィアの組み合わせは15ルール最初期にメジャーでしたが、その動きの単調さから一度廃れており、それを見出して仕上げてきた事が本当にすごい。
どのルールでも毎回発生するミラーマッチですが、どのように解答を用意するべきかを教えてくれる良い教材です。
第2位 WCS2015 準々決勝 ビエラ vs もりやま
またしてもガルーラミラー、またしてもビエラ選手が構築相性不利マッチ。
ビエラ(手前)
もりやま(奥)
・第1試合
youtu.be・第2試合
もりやま選手の構築が、最速ヒードラン・「めざめるパワー(地面)」クレセリア・こだわりスカーフバンギラスというガルーラ構築が上位に増える事を見越してミラーマッチで差をつける要素満載のガルーラ構築。天才。
しかし世界一になる男ビエラの意地がそれを上回ります。
細い択、低い確率、どんなに泥臭かろうが勝利をもぎ取ろうとする執念の立ち回りは全プレイヤー参考にするべき。
最もビエラさんらしい試合だと思い選びました。
第1位 WCS2015 準決勝 Tony vs BIDC
ビエラvsペンギンの準決勝がスクリーンで映されている最中、反対側で繰り広げられていたもう一つの準決勝。
Tony(手前)
BIDC(奥)
・第1試合
youtu.be・第2試合
youtu.be・第3試合
Tony選手のことは語りつくしましたが、この試合の見張るべき点はなんといっても15世界準優勝のBIDCという男の対応力の高さ。
1試合目を勝利するBIDC選手ですが、Tony選手のランドロスが「こだわりスカーフ」ではないという情報から、2試合目3試合目でアタッカー型ボルトロスを軸に選出・立ち回り共に最適化していき、圧倒します。
非常に堅実な立ち回りの中で常に攻めの姿勢を維持し続けるプレッシャーに、気づいたら魅入ってしまう試合です。
WCS2016
--------------------------------------■当時の環境
16年の環境の中心はゼルネアス、ゲンシグラードン、ゲンシカイオーガの3匹。
まず環境を語る上で外せないのがグラードンとゼルネアスを伝説枠に据えた所謂「グラゼルネ」。
Big6という言葉が生まれたのもこの年で、WCS15で登場したTony選手が環境初期に使用したことで爆増したグラゼルネの原初。
初期からWCSまで、6匹が変わらず生き残り続けた構築は後にも先にもこの構築だけ(豆知識)。
そして、そのグラゼルネに対抗するために生まれたのがグラードンとカイオーガの単体性能最強の2匹を軸にゼルネアスに強いトリックルーム始動要因のドータクンで展開する「グラカイ」。
グラードンの特性に対してカイオーガの水技を通すことが出来る「レックオーガ」、高速高火力で常に上から殴り続ける「レックゼルネ」。
WCS環境まで生き残った構築タイプはこの4タイプのみだと認識しています。
非常に狭い選択肢に思えますが、その中でゼルネアスに対する対策は必須、ゲンシカイキ2匹による天候の取り合いと、構築から立ち回りまでかなりシビアな完成度が求めらるルールでした。
■上位プレイヤーの構築傾向
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第3位 WCS2016 TOP16 JonathanEvans vs BarryAnderson
1手の噛み合いで勝負が決まる、試合展開の速さに注目のこれぞ伝説戦といえる試合。
Jonathan(手前)
Barry(奥)
見ていてビックリするほど一瞬で決着がついた試合だったと思います。
この年の準優勝プレイヤーJonathan選手の長所はなんと言っても、鋭い読みから繰り出される強気な行動(と観客を楽しませる大きなリアクション)。
伝説戦では特に顕著ですが、こうも試合を優勢に運ぶような読みをするプレイヤーは珍しく、常に相手に選択を迫り、相手のミス行動を誘発させます。
更に選出でも、3試合目の「ドーブルを置いてくるなら俺は初手からグラードンをプレイするぜ?」という強気な割り切りが恐ろしく強く、終始試合の流れを掴ませずに勝利しています。
第2位 WCS2016 Day2 AaronTraylor vs MarkusStadter
最強グラゼルネ vs 天敵オーガタクンゲンガー、お互いの対策が上回るのはどちらか。
Aaron(手前)
Markus(奥)
・第1試合
・第2試合
・第3試合
完全に僕の好みなのですが環境トップ構築(グラゼルネ)と、それに対策を固めた構築(オーガタクンゲンガー)の試合が好きです。
更に言うと環境トップ側が、ワンポイント採用と立ち回りで対抗する試合が大好きです。
この試合の鍵となっているのが手前のクレセリア。
Aaron選手のクレセリアの技構成は「サイコキネシス/こごえるかぜ/スキルスワップ/トリックルーム」となっています。
グラードンに対してカイオーガを繰り出し→炎技を無効化ながらドータクンで「トリックルーム」展開という王道プレイを、「スキルスワップ」+グラードンの炎技で許しません。
例え先に「トリックルーム」を展開されても、クレセリアの耐久力で「トリックルーム」を返すという柔軟な立ち回りが可能な対グラゼルネキラーで、しかも汎用性を担保してるという最高に美しい採用。好きです。
Aaron選手はDay2を7-0の全勝で突破、トーナメントTop8で再度Markus選手とぶつかり、激戦の末に敗れています。
・おまけ
第1位 WCS2016 準決勝 EduardoCunha vs JonathanEvans
超堅実 vs 超強気!サイクル戦の中で見せる手札の切り方がとても参考になる名試合。
Eduardo(手前)
Jonathan(奥)
まず1試合目の1ターン目から読み合いが深い。
ドータクン側の王道の動きとして、カイオーガを投げながら炎技を無効化してトリックルーム展開があります。
お互いがそれを理解した上で、Eduardo選手はカイオーガ着地に備えてグラードンを交替しますが、その上を行くのがJonathanEvansこの男。
炎技を選択しないことを信頼して、強気なグラードン繰り出しトリックルームを選択。一気に有利な盤面を作り出します。
そこからは(途中読みすぎてお茶目なミスをするも)有利なサイクルを継続して勝利。
2試合目はボルトロスを削りたい行動を読み切ったEduardo選手がゲンガーに不意打ちを通したところが決め手となり、ガルーラが止まらず勝ち切り。
そして3試合目、序盤からグラードンを安易に失うわけにはいかないEduardo選手の保守的な選択を読み切り突破、グラードンを失った事でドータクンの処理が不可能となり一気に決着となりました。
1試合目のサイクル戦からお互いが傾向を読み切ってその後の勝利に繋げる、トッププレイヤー同士による読み合いはBO3形式の醍醐味です。
WCS2017
--------------------------------------■当時の環境
アローラダブルほど使用率にバラつきがあるルールは過去にも先にもそうありません。
世界大会以前はスタンダードな選択としてGACT()とAFK()が主流でしたが、新たにマッシブーン、ウツロイド、メタグロス、ボーマンダがスタンダードな選択肢として加わりました。
そしてなんといってもアローラダブルの代名詞、カプ・コケコ。
圧倒的素早さと火力、柔軟性を誇るカプ・コケコの対処は容易ではなく、安定した勝率を出すには明確な対策は必須でした。
世界大会の上位チームから見ても、特性「ひらいしん」や高耐久の毒タイプの採用が多く見られ、対策の重要さに気づいていたプレイヤーが結果を残したと言えます。
■上位プレイヤーの構築傾向
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第3位 WCS2017 準決勝 SamPandelis vs PaulRuiz
2018年世界王者のPaulRuiz選手の素早く的確な対応力。
Paul(手前)
Sam(奥)
1試合目は自身の構築の強みを押し付けたSam選手が勝利します。
しかしそれを簡単に許さないのが2018年世界王者PaulRuiz、1試合目の敗北からテッカグヤ+ガラガラの並びが有効であることを見抜き、正確にプレイすることで2試合目を難なく取ります。
3試合目は惜しくも敗れますが、Paul選手の対応力は他プレイヤーに比べても頭ひとつ抜けています。
2017年世界TOP4、2018年世界優勝という輝かしい成績がそれを裏付けています。
BO3形式を理解するための最高レベルの試合のひとつだと思い選びました。
第2位 WCS2017 準々決勝 RenéAlvarenga vs SNOW
カプ・コケコ、あまりにも強すぎる...。
René(手前)
SNOW(奥)
両者カプ・コケコを初手から繰り出す試合なのですが、気づいたら戦局は大きくSNOW選手側に傾いています。
その理由は何と言っても"対カプ・コケコ"の差でしょう。
1試合目は早い段階でRené選手がガブリアスを前に出してしまったことで、実質電気の一貫が生まれてしまい「ボルトチェンジ」で好き放題されています。
2試合目はお互いの選出が割れたことで動きは最適化されますが、攻め筋であるガブリアスとカプ・コケコのどちらかを確実に倒せる盤面を見逃さず技を重ねていたSNOW選手が勝利。
カプ・コケコの処理の重要さを理解し、事前に数多くルートを想定していたSNOW選手の構築力が光る試合です。
第1位 WCS2017 TOP16 WolfeGlick vs NilsDunlop
17ルール最強の一角「はらだいこ」カビゴン同士の読み合いはまさに、世界で一度切りの壮絶な試合。
Wolf(手前)
Nils(奥)
1試合目でお互いのカビゴンがノーマル技のみだと割れたことにより、ミミッキュの重要性が非常に高くなるマッチアップ。
また、お互い「ねこだまし」要因を選出しており、トゲデマルは「アンコール」、ペルシアンは「イカサマ」でカビゴンの「はらだいこ」による展開をストップできます。
しかし、素早さ勝る点と場面を選ばない点からペルシアン有するNils選手が若干の優勢でしょう。
3試合目はお互いが「はらだいこ」後のカビゴンを交替するという前代未聞のプレイングと高度な読み合いが飛び交う、世界一決定戦の決勝トーナメントにふさわしい試合です。
WCS2018
--------------------------------------■当時の環境
メガシンカ枠がどれも強く、最強と呼べる構築がないルールでした。
メガシンカ枠が多様であっても、それ以外はランドロス、ガオガエン、カプ系といったポケモンで固められていることがほとんどで、他WCSに比べて新規アイデア構築よりかは既存構築の理解度を高めたプレイヤーが上位に多く見られました。
特にこのルールの象徴とも言えるのが中期に追加された特性「いかく」ガオガエン。
最高の起点作り性能とクッション性能を誇るこのポケモンを、如何に上手く扱い、上手く処理できるかで勝敗が決まると言っても過言ではありませんでした。
■上位プレイヤーの構築傾向
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第3位 WCS2018 TOP8 RobertoPorretti vs PaulRuiz
世界大会を優勝するに相応しい、練りに練られた完成度の高い対策。
Roberto(手前)
Paul(奥)
この年を優勝するPaul選手のメガボーマンダを軸とする構築は、一般的にメガゲンガー・メガメタグロス構築に不利である事が共通認識でした。
そして彼は、トリトドンの「ジメンZ」をその2匹のメガシンカと対面した盤面で選択することを徹底しています。
この試合に限らず決勝戦、また僕に対しても1戦目は漏れずに選択。
なぜなら、Paul選手はゲンガー・メタグロスが先発にプレイされやすい事、例え守られようとも「ジメンZ」の貫通ダメージが入ることでその後のサイクル戦で有利になる事を事前に把握しているからです。
2018年はメガシンカ枠の選択で構築の有利・不利が決まりやすく、その相性関係を逆手に取って如何に一般枠で覆すかが肝となることを教えてくれます。
「おいかぜ」による逆転を許さないガオガエンの「よこどり」も非常に映える、Paul選手の美しい試合運びが好き。
第2位 WCS2018 Day2 Round5 Alessio Yuri B vs アルカナ
2018年で一番熱い試合、その自信があります。
Yuri(手前)
アルカナ(奥)
youtu.be試合開始 4:40:30~(この時間から再生されます)
これは当事者なのでかなり語れます。が、長くなるので後半にします。見たい人だけどうぞ。
お互い4勝0敗同士の決勝トーナメント進出を賭けた試合。
この試合の見どころはなんと言っても3試合目でしょう。
BO3という形式は3戦の中でお互い手の内がわかり、ゲームスピードが徐々に上がっていく事が多いですが、この試合はその真逆。
1,2試合目でお互いの構築情報や堅実なプレイスタイルがわかり、攻めるに攻めれないジリジリとした見合いが続きます。
中盤「いかく」を重ねたメタグロスを引かざるを得ないターンで、アルカナ側がランドロスとラティアスを並ばせ、「じしん」+「こごえるかぜ」が受けることの出来ない盤面を作ります。
しかし、神の一手とも言えるYuri選手の味方「ほえる」でメタグロスが無償降臨し形勢逆転。これをされたアルカナ側も対戦相手の上手さに賞賛のグッドポーズ。
こんな発想をするメタグロスプレイヤーは世界で唯一Yuri選手だけでしょう。
そこからは殴り合い、先にどちらが倒れるかの勝負を寸前でアルカナが制しました。
「10まんボルト」で痺れたのも何度も重ねていたYuri選手の上手さ、最後までわからない手に汗握る試合です。
第1位 WCS2018 準々決勝 ArashOmati vs NilsDunlop
2戦目を終えたNils「分析完了。」
Arash(手前)
Nils(奥)
youtu.be試合開始10:38:05~(この時間から再生されます)
この試合の見どころは、Nils選手の何が見えているのかわからないレベルの読みの鋭さ。
3試合目の立ち回りはArash選手の"癖"を完全に読み切っていると言えます。
読み合いがニュートラルや若干不利な盤面でも、あたかもNils選手が有利なのではないかと錯覚するかのような立ち回りはもはや怖い、エスパーすぎる。
(いい意味で)個人的に一番怖いのは、3試合目の初手でウルガモス方向に岩技を選択せず、2サイクル目で岩技がないと踏んだArash選手の警戒の外からウルガモスを「ストーンエッジ」で突破する図太さ。
その後も読み合い次第でArash選手にも勝ちの芽はありますが、ここでも「どうせ猫だまし撃たんでしょ?」のランドロス動かし。Arash絶望。
最も危険なウルガモスにアプローチできる場面ではしっかり殴っているのも偉すぎポイント。
立ち回りの緩急の付け方がすごすぎて、読み合いで試合を作るタイプのArash選手が翻弄される珍しい試合です。
WCS2019
--------------------------------------■当時の環境
同じ伝説ルールに2016年がありますが、それに比べてかなり使用率がバラけています。
ガオガエンやカプ系を中心に強力な一般ポケモンの選択肢が増えたこと、メガシンカの特性の火力補正が下がったこと、ルナアーラやレックウザの増加でグラードンカイオーガが動きづらくなったことなど、火力を押し付ける構築よりも受け回しを軸としたスタンダード構築が増えています。
世界大会直前の環境ではルナアーラ+レックウザやネクロズマ+グラードンorゼルネアスなど、伝説枠の組み合わせは開拓され続けていました。
また同様にツンデツンデやカミツルギ、ウツロイドにミミッキュなどの一般枠の開拓も目まぐるしく、過去の世界大会と比較して非常に環境を捉えにくいルールだったと言えます。
ガオガエンがいるルールはガオガエンの採用がマストだと思っていたので、決勝戦のカエール選手の構築には本当に驚きました。
■上位プレイヤーの構築傾向
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第3位 WCS2019 Day2 Roudn4 ArataNakada vs DavideCarrer
これぞグラゼルネ使い。貫録を感じさせる重厚感ある立ち回り。
Arata(手前)
Davide(奥)
Davide選手は19年ウルトラルールを通してグラゼルネを使用し続けているプレイヤーで、世界大会前のIC(日本でいう全国大会)では準優勝した強豪。
構築はゼルネアス+グラードンの組み合わせにヌケニンを採用することで、カイオーガからの水技の引き先とゼルネアスと並ぶもうひとつの詰め筋を確保することを可能とした構築。
1試合目のと「トリックルーム」を展開された一見不利な盤面から不意の「かげうち」+「ガオガエンZ」でレックウザを突破したターンからもグラゼルネ構築の練度の高さが感じられます。
3試合の中でヌケニン→ボーマンダ→ヌケニンと選出を変えることで相手にゼルネアスとヌケニンへの対策を絞り切らせず、試合を流れを作ることを許しません。
選出・立ち回り共に幅広い選択肢を持つグラゼルネの強みを最大限に引き出せている試合です。
第2位 WCS2019 決勝 ペンギン vs カ・エール
世界王者となる男、その実力をこれでもかと見せつけてきます。
ペンギン(手前)
カ・エール(奥)
1戦目、カエール選手はかなり正確にプレイしているように思えます。
ターニングポイントは、ボーマンダに「イカサマ」+「ドラゴンクロー」の集中を耐えられた場面とカプ・レヒレの「フェアリーZ」がブラッキーに的確にヒットした場面。
このような不利状況がありつつも、ほぼ五分で進んだ試合は結果的にカエール選手側が1手届かず敗北します。
カエール選手はその一手を縮めるために、1試合目の初手ネクロズマ「まもる」+ブラッキー出しをスキップした先発ブラッキーネクロズマをプレイしています。
1試合目と同じ先発対面となればネクロズマの行動回数が1回増える堅実かつ有効な選択。
しかしペンギン選手の初手はカプ・レヒレルナアーラ。あまりにも上手すぎるぅ!
そして選出を制したペンギンの正確なプレイングが止まりません。
特にカプ・レヒレに「バークアウト」の被弾をさせないよう「ワイドガード」をしながら着地させたターンが完璧。
ネクロズマをウルトラバーストさせている事とグラードンのHPが残り僅かな事から、「フェアリーZ」で確実に1匹倒せる盤面を作り上げた流れをそのままにペンギン選手が勝利し世界優勝。
自分と相手の勝ち筋の精査、それに対する解答、勝ちを引き寄せる状況作り、それを確実に逃さない正確なプレイング。
ダブルバトルのすべてが揃った、最高の2人による美しすぎる決勝戦。
第1位 WCS2019 準決勝 JamesBaek vs ペンギン
自身のTOP4の壁を破ることが出来るのか。
JamesBaek(手前)
ペンギン(奥)
1試合目はJames選手がガオガエン+モロバレルのサイクルを完璧に回し切り完勝。
しかし2試合目を返すのはペンギン選手、見せていなかった「ワイドガード」を絡めて初手でトルネロスを倒したことが決め手となり勝利します。
レックウザを有しないカイオーガ構築がグラードン構築に勝つには数の有利が必須と言え、1ターン目で「なりきり」トルネロスを倒せる最高の一手でした。
そして3試合目、今までの2試合からJames選手のガオガエンモロバレルの扱い方を完全に理解したペンギン選手の神の選択「シャドーレイ」+「ほのおのパンチ」集中がモロバレルに炸裂。
2戦目同様、数で優位となったペンギン選手が勝利します。
一見したら「ねこだまし」と「キノコのほうし」をされたら終わりの行動。
ですが『その行動はされないという確信があった。』、世界王者となる彼は後にそう語ります。←本当に言ってました
ペンギンさんの過去成績はTOP4が3回。(15全国、15世界、19全国)
決勝にあと一歩届かない彼が、実力でその壁をうち破り決勝へと駒を進める姿はあまりにもかっこいい。
2019年で一番鳥肌が立った試合、堂々の1位。
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以上でWCS神試合15選は終わりとなります。
熱が入りすぎてあまりにも語ってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
一括りに強いとされるプレイヤー達にも、軸となるプレイスタイル、読みへのプロセス、構築から選出の組み方とそれぞれの強みが見て取れたと思います。
彼らを見て、良いところだけを参考にして自分のものにする、更に自分の強みを見つけることが出来たら最高ですね。
WCSには本当にスルメ動画が多くて、手前と奥のそれぞれの視点で見たり、「どうしてこの選択をしたのだろう」「こうしていたら違う勝ち方が出来たのではないか」等、同じ動画でも見れば見るほど深みが増します。
そして究極の楽しみ方として、なんとなーく見ながら「それ上手すぎ!!!」とはしゃぐ。←これオススメです
対戦し続けるのもいいですが、今のルールに躓きを感じた時とか休憩がてら過去ルールの動画を見てみると新たな道を示してくれたりもします。
と散々良いこと風に語りましたが、強い人同士の本気試合は最高におもしろい!というのを発信したかっただけの完全自己満足記事でした。
こういう記事もたまには良いでしょう。
感想・要望・その他なんでも、あったらTwitterで呟いてください。僕のモチベになります。
おもしろい動画を見つけたら教えてください。是非語りましょう!
おわり。